高齢者の高血圧は気にする必要なし
血圧は、年を取れば自然に上がっていきます。
血管が老化し、動脈硬化が徐々に進むと、若いときのような血管のしなやかさが失われ、弾力を失いつつある血管を使って、全身に血液を送り届けなければなりません。
それには、若いころよりも血管に大きな圧力をかけることが必要となります。
年齢とともに血圧が上がるのは、生命を維持するために必要な自然現象です。
高齢者の場合、血圧が高いおかげで元気なのだといってもいいでしょう。
かつては、「年齢+90」というのが、適正な最大血圧の目安とされていました。
例えば、60歳なら、150mmHg、70歳なら160mmHgと、年齢によって、しだいに上がるのが自然なのです。
降圧剤で脳梗塞になるリスクが高くなる
高齢者の場合、本来もっと高くていいはずの血圧を、基準値より高いからといって薬を使って無理やり下げると、薬の作用で、血流の勢いが落ちれば、栄養素や酸素を含んだ血液が体の隅々まで行き渡りません。こうして、しびれ、息切れ、倦怠感、肩こりなど、さまざまな症状が起こってきます。
特に、大きな影響を受けるのが脳です。人間は二足歩行ですので、脳へ血液を届けるためには、血液を重力に逆らって押し上げなければなりません。
年を取れば取るほど、押し上げる圧を高めることが必要とされます。
それにもかかわらず、薬を飲んで無理に血圧を下げると、脳へ充分なな血液が供給されず、めまいが起こったり、脳の機能低下が引き起こされたりすることになります。
さらに、うつ病や認知症が進行する危険性も高まります。
降圧剤を使い続けると、脳梗塞になる危険性が2倍になるというデータも報告されています。
降圧剤よりも血管を丈夫にすること
降圧剤をやめても、ほとんどの場合血圧が上がることはない
ずっと飲んでいた降圧剤をいきなりやめても、ほとんどの場合は、血圧が上がることはありません。
仮に万が一、血圧が多少は上がったにせよ、年齢+90くらいの数値に落ち着いていれば、なんの問題もないと考えてよいでしょう。
降圧剤を急にはやめるのが不安と思われている方。
先ずは、「血圧が適切にコントロールできているなら、薬の量を減らすべきです。
”ここまで減らしても正常値の血圧を維持できるか”という、最小限のラインを確かめたほうがいいです」。
徐々に減らし、最終的にお世話にならないようにしましょう。
降圧剤をやめれば、薬の副作用と考えられる諸症状が、目に見えて改善してくるはずです。なによりも、頭がシャキッとして、元気が出てきます。
薬をやめることを不安に思ったり、心配したりする気持ちはわからなくはありません。
しかし、勇気を持って薬をやめてみましょう。薬に頼り切って副作用に苦しめられて生きるか、血圧が高いおかげで元気に生きるか、選択するのは、もちろん、あなたなのです。
「血圧が適切にコントロールできているなら、薬の量を減らすべきです。
”ここまで減らしても正常値の血圧を維持できるか”という、最小限のラインを確かめたほうがいい」