野菜スープの若返り成分

注目の栄養素ファイトケミカル 野菜のパワー

今注目の抗酸化力

“ファイトケミカル”とは、野菜、果物、豆類、芋類、海藻、お茶やハーブなど、植物性食品の色素や香り、アクなどの成分から発見された化学物質です。

抗酸化力、免疫力のアップなど、健康維持・改善に役立つと注目されています。なかでも注目したいのは、抗酸化力です。

私たち生物は、鉄がサビることと同様、放っておくとしだいに酸化してしまいます。

酸化とは物が酸素と結びつくことです。

とくに酸化力の強い酸素を活性酸素といい、これを取り去ること(還元)、すなわち酸化を防ぐちからである抗酸化力は、生命を若々しく維持するちからとして注目を集めています。

酸化は、さまざまな病気や老化の原因とされ、がんや認知症、生活習慣病とも密接な因果関係があります。これらの疾患に対してビタミンやミネラルとともに、ファイトケミカルを上手に摂り入れることにより、予防に役立ています。

 

免疫力アップ野菜スープ
免疫力アップ野菜スープ

厳しい自然界で生き残るための植物の知恵

 自分で好ましい環境のところへ移動できる動物と違い、植物は過酷で変化の多い環境で生きていかなければならないため、動物とは異なる自己防衛能力を授かりました。

強い紫外線や雨風にさらされても移動できない植物は、酸化を防ぐ抗酸化力、抗菌力を自らもっています。

害虫や動物から逃げられない植物は、臭いを出して遠ざけることもあります。身を守るために植物が自ら作り出した色素や香り、辛み、苦みなどに含まれる機能性成分がファイトケミカルです。

 ヒトはファイトケミカルを作り出すことはできませんが、それらを含んだ野菜や果物を食べることで、植物の力=ファイトケミカルを摂り入れ、抗酸化力や免疫力をアップさせ、生活習慣病やアンチエイジングに活用できます。

あざやかな色と香り高い植物性の食品は、視覚や嗅覚からも私たちを楽しませ、苦みや渋み、辛み成分などは深みのある味わいを生み出します。

植物の力=ファイトケミカル
植物の力=ファイトケミカル

野菜スープは生ジュースより数百倍も抗酸化力が強い

野菜は「熱を加えるとビタミン類が破壊されてよくない」とされ、サラダとして生で食べることが勧められてきましたが、抗酸化力の面では、加熱して、そのスープを摂取するのが効果的と言えます。

ファイトケミカルは、植物が紫外線や害虫から自分の身を守るために合成している物質なので、日光を浴びた野菜に豊富に含まれています。

スープを作るときには、露地栽培の旬の野菜を選ぶといいでしょう。

スープは生ジュースより数百倍も抗酸化力が強い

〇細胞膜を壊さないと体に吸収できない

ファイトケミカルは、私たちが健康に生きるために欠かせない物質で、野菜や果物を食べることで摂取できます。

しかし、その多くは、細胞や細胞膜の中に隠されており、細胞膜を壊さなければ私たちの体内に吸収されないのです。

ところが、植物の細胞や細胞膜は、セルロース(繊維質)でできた細胞壁に囲まれているため、包丁で刻んだり、ミキサーで粉砕した程度では壊れません。

 

〇細胞壁を壊す最も簡単な方法は、加熱することです。

野菜を加熱してスープにすると、細胞壁が壊れて野菜の細胞や細胞膜からファイトケミカルの大部分がゆで汁(スープ)の中に溶け出してきます。一定時間煮続けると、その8〜9割がスープに溶け出ます。ファイトケミカルは安定的な物質で、熱に強く、加熱しても効力は失われません。したがって、ファイトケミカルは、煮てスープにすることによって、有効成分をムダなく摂取することがでます。

一般野菜の抗酸化力
一般野菜の抗酸化力

ファイトケミカルの効用

①抗酸化作用とは

活性酸素の害を無毒化し、体の酸化を抑える作用です。

活性酸素は遺伝子を傷つけてがんを引き起こしたり、脂質を酸化して動脈硬化を促進したりするなど多くの病気や老化の原因になる物質です。

②抗がん作用とは

発がん物質を抑制したり、肝臓の解毒作用を高めたり、がん細胞のアポトーシス(自殺死)を促してがんを予防する作用です。

③免疫の増強・調整作用とは

 免疫細胞の数を増やしたり働きを活性化させたりして、体内に侵入した病原菌やがん細胞などと戦う力を強化する作用です。高くなりすぎた免疫を抑制する作用もあります。

ファイトケミカルの効用
ファイトケミカルの効用

ファイトケミカルは 毒性の強い活性酸素も無毒化する

体内でエネルギーが代謝されたり、外からウイルスや細菌が侵入したりすると、活性酸素の一種である「スーパーオキシド」という物質が発生します。

 スーパーオキシドは、非常に不安定な状態となった活性酸素で、自らを安定させようとして周りにさまざまな危害を与えるようになります。

 通常は、スーパーオキシドは解毒酵素によって分解され、無毒化されます。ところが、この抗酸化作用は加齢とともに低下します。

さらに、紫外線やストレス、過剰な運動などにより、活性酸素はどんどん増えてしまいます。

処理が追いつかず、体内にスーパーオキシドがどんどんたまってしまうと、より毒性の強い活性酸素へと変化していきます。


その代表ともいえるのが、ヒドロキシラジカル(OH・)です。

スーパーオキシドの数十倍もの酸化力を持ち、遺伝子を傷つけて発がんの引き金となる強力なイニシエーター(発がん物質)です。

 人間は、ヒドロキシラジカルを無毒化する能力を持っていません。

 これに対して、野菜に含まれるα-カロテンやβ-カロテン、フラボノイドなどのファイトケミカルは、非常に強い抗酸化力を持っているので、ヒドロキシラジカルを無毒化して遺伝子を守り、発がんを予防してくれるのです。

実際に高血圧症の人には、大いびきをかく人が多くみられます。

こうした血圧の上昇や血管の収縮をくり返すことが、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などの原因ともなるわけです。

糖尿病との関連については、まず血液中の二酸化炭素濃度が上昇することで、血液が酸性化します。

 するとインスリンの分泌が抑えられ、血液中のブドウ糖のコントロールがうまくできなくなるためと考えられています。


基本野菜スープのつくり方

野菜スープ(ファイトケミカルスープ)の魅力は、なんと言っても「シンプルで簡単なこと」です。使う野菜は、キャベツ、タマネギ、ニンジン、カボチャだけ。1年中手に入る野菜です。
 

作り方もシンプルです。鍋に野菜と水を入れ、ふたをして煮るだけ。
味つけは、基本的にしません。野菜のうまみがにじみ出たシンプルな味は、飽きが来ず、長続きします。シンプルだからこそ、素材が大事です。よい土壌で、日ざしをたっぷり浴びて育った野菜を選んでください。


1.野菜は皮ごと使う

キャベツ、タマネギ、ニンジン、カボチャを100gずつ用意する。

野菜をよく洗い、それぞれ食べやすい大きさに切る。

ニンジンとカボチャは、皮をつけたまま切る。

2.ふたがしっかりできる鍋(できたらホーロー製)を使う

1.で切った野菜を鍋に入れ、野菜が隠れるくらいの水(約1ℓ)を加える。

鍋はホーロー製のものなど、ふたがしっかりできるものがお勧め。

3.原則として食塩や調味料を使わない

有効成分が飛ばないようにふたを閉め、強火にかける。

沸騰したら火を弱めて、ふたをしたまま約20分煮る。


■味つけ

 食塩など、調味料は原則としていっさい加えません。

野菜本来の甘みとうまみで、おいしく味わえるでしょう。

 ただし、味にアクセントが欲しいときは、黒コショウやカレー粉、乾燥ハーブなどを入れると食べやすくなります。

■旬の野菜を追加しても可

 基本の野菜スープは、キャベツ、タマネギ、ニンジン、カボチャを使いますが、トマトやセロリなど、ほかの野菜と入れ替えたり、加えたりしてもかまいません。

 野菜は、新鮮で、自然の光をたっぷり浴びて育った露地ものを選ぶとよいでしょう。