血管内部での炎症ストップ

慢性炎症を抑えなさい

健康長寿を難しくさせる要因の一つは、高齢になると慢性炎症が体内で起きやすくなることだといわれます。

老化の進行に伴って、慢性炎症が起こると老化が更に進行してしまうという悪循環の関係もあります。

 よく知られている動脈硬化なども、血管内皮の慢性炎症の結果ともいわれ、粥状硬化などは、まさに血管での炎症の真っ最中といわれるようになってきました。

 これを防ぐには、人間も自然界の摂理の尊重ということを考え、本来の食性から大きくは外れない範囲で食律を守ろうとすることと、血液中に抗酸化物質が豊富に流れるようにすることです。


血管内でおきている酸化

 血管を構成している細胞膜の表面はリン脂質であり、血液中で活性酸素が発生して内側から触れると、血管壁のリン脂質は激しく酸化して、その連鎖反応の流れでフリーラジカル分子を生んでしまい、これが血液中を流れて周辺の細胞膜のリン脂質に触ると、そこでの酸化反応がねずみ算のように広がるので、その周辺は短時間の間に組織ごとDNAも酸化され壊れていく危険が発生します。

 

 人間と遺伝子がそっくりなゴリラは動脈硬化は起こしませんし心臓病で死ぬゴリラは皆無です。

 

心臓発作で死ぬ人は多いのですが、動脈硬化の果てに心臓病を起こして死ぬ動物は人間だけだということを知りました。


抗酸化作用

 抗酸化物質とは、酸化しない物質ではなく、いち早く活性酸素などの周辺の分子を酸化させるエネルギーを吸収して、自らはおとなしく酸化してフリーラジカルにならず、酸化の広がりにストップをかけられる物質です。

 

 最初にこの抗酸化力で有名になったのはビタミンCとビタミンEです。そのあとビタミン類は、皆

それなりに抗酸化力があることが知られるようになってきました。

 

 

 


ファイトケミカルの抗酸化力

 次にミネラルの中にも抗酸化酵素の補酵素として強力な抗酸化力が期待されるものが出てくるようになりました。

 次に注目を浴びるようになったのがファイトケミカルといって自然界の植物が持っている色素などです。

植物が太陽の紫外線など酸化力の強い光を浴びてもめげないのは、植物が持っている色素などの抗酸化力によるのだろうと研究が進み、カテキン、フラボノイド、アントシアニンなどが有名になりました。

 ビタミンやミネラルが補酵素として効くのは、そのビタミンやミネラルが抗酸化酵素の分子構造のポイントに入り込み、活性酸素の消去力がある抗酸化酵素に活力を与え、活性酸素を分解吸収してしまう力を発揮させるからです。

 

 


老化スピードを遅くするビタミン、ミネラル

このようにして効くビタミンBの仲間は単独の力ではなく、B群の仲間同士が協力し合って力を出せるものがほとんどです。

B群に限らずビタミンやミネラルは、単独力ではなく総合力で効くものが殆どなのです。

 抗酸化酵素自体は生体内で、DNA情報によってアミノ酸から紺み立てられるので、老化スピードを遅くするには、毎日の食事で蛋白質をこのアミノ酸の原料としてしっかり摂り続けることと、ビタミン・ミネラル類を摂り漏らすらしのないようにすることが大事です。

 

 

 

 そのためにはストレスにさらされている現代人は、微量栄養素が総合的に摂れるサプリメントを上手に使わないと、事実上は不可能といわれています。


オーラック値(抗酸化力)

 米国立老化研究所によって開発され、米国農務省によって食物の抗酸化力を科学的に分析する基準として改良が続けられてきたのがORAC値(オーラック値)です。

 1グラム当たり何個の活性酸素を吸収できるかという考え方ですから、ORAC値が高いほど抗酸化の能力、つまり活性酸素を吸収して無害化する能力が高い食べ物ということになります。

 1日の食事の合計で約3万のORAC値の食べ物を摂取すると、血中の抗酸化レベルが20%ほどアップするというデータもあります。

 ORAC値が高い食材ほど抗酸化力が高いのでアンチエイジングパワーが強いことになり、血液サラサラ、美肌と長寿の味方ということになりますが、一般的にはファイトケミカルに富むハーブ類がこのORAC値が高いものが多く、健康長寿実現のためには、ハープの力は無視できないということになります。

 100歳超えのセンテナリアンや110歳超えのスーパーセンテナリアンにチョコレート好きが多いのはチョコレートはORAC値が高い嗜好品だからといわれます。

 40度を超えない低温度で造られたチョコレートでは、生カカオの高いORAC値を維持して5グラムでORAC値が5万もあるものもあります。

次回は万能薬だったチョコレート特集