骨はからだを支える大事なパーツ
ヒトの体をつくる上で、主軸となる一番大事なパーツが「骨」です。
スポーツ選手も、一般人も、私たちの体はみんな同じ骨の数、同じ形でできています。いくつになっても骨の代謝は続いていきますので、年齢が違っても、骨のために“やるべきこと”、“やってはいけないこと”は同じです。それでは考えていきましょう。

骨は刺激を与えれば強くなる
骨は、負荷がかかるほど骨をつくる細胞が活発になり、強くなる性質があります。
日頃の行動や姿勢を意識するだけで、骨は鍛えられます。
骨は、重力に逆らう“タテ方向の刺激(負荷)”を与えることで、骨密度が高まります。
宇宙飛行士やシンクロナイズドスイミングの選手に、骨密度が低くなる傾向がみられるのは、こうした負荷が大きく関係しています。
骨を強くするためにできることは、普段の生活の中にもたくさんあります。
例えば、背筋を伸ばして姿勢良く立ったり、椅子に座る時は“骨盤が立つように”浅く腰掛け、おへそから下に少し力を入れ、足裏をしっかりと床につける。正しい位置に骨があるだけで、骨の質も変えていくことができるのです。

骨は「しなやか」、「強度」、「密度」のバランスが大切
“質のよい骨”とは、「しなやかさ」と「強度」と「密度」がバランスよく保たれている骨のことです。
私たちは「動く・食べる・寝る」この3つだけを繰り返して、今の体がつくられています。
だからこそ、丈夫な骨や元気な体をつくるには、どんな材料、どんな刺激(運動)が必要なのかというイメージを持つことがとても大切です。
しなやかで骨密度の高い、強い骨を作るには、コラーゲンとカルシウムが必要です。
また体に吸収されにくいカルシウムは、ビタミンDとビタミンK2を含む食品も一緒に摂るのがおすすめです。

カルシウム、ビタミンDを摂る
私たちの体は、食べ物から摂取したカルシウムが足りない時は、体に蓄えられているカルシウムを借りてきて補おうとします。借りてくる場所は、主に腰椎、頸椎、大腿骨といった大きな骨からです。
これは年寄りになって骨が曲がったり骨折をしやすかったりする箇所と重なっています。
日頃から、小魚、干しエビ、小松菜、チンゲン菜、納豆、大豆製品などを食べるよう意識してみてください。
運動や食べ物の力を上手に借りてしっかりとした骨をつくり、良好な状態をしっかりキープしておきましょう。
かかと叩き
歩いたり運動をしたりすることで、骨の健康が維持できることは知られています。
1日に10分程度の歩行や運動で骨を刺激すれば骨粗鬆(そしょう)症を防ぐなど健康維持に役立ちます。
普段歩いたり運動したりする習慣がない人には、「かかとを木槌で叩く」ことをおすすめします。
一日2~3分叩くことによって、2㎞のウオーキングと同じ効果が得られます。
骨は、骨格を形成し内臓を保護するほかに、様々な臓器に影響し活性化させる力があります。
その役割を担うのが、骨ホルモン「オステオカルシン」です。
オステオカルシンは、心臓や肝臓、腎臓、膵臓、腸、精巣などたくさんの臓器を活性化すると言われており、また、エネルギー代謝の調節、脳の発育の調節などに大きく関わるスーパーホルモンとして、現在、世界中の研究者に注目されているのです。
具体的には、骨に刺激を与える運動(かかと叩き、歩くことなど)や食生活の改善によってオステオカルシンが増えると、体にとってもうれしい効果がたくさんあると言われています。
かかと叩きの効用
かかと叩く回数と叩き方
100円ショップ等で販売されている木槌を用意して、リズミカルに、そして心地よい痛みを感じる程度に叩きます。
◎最初の 2~3 日は 100 回くらい
◎それ以降は 200~300 回くらい叩けばいいでしょう。
かかと叩きの効用
①血糖値が下がり、糖尿病や骨粗しょう症の予防になる
②脳に働きかけ、記憶や認知機能を上げる
③肝細胞の代謝を上げ、メタボを予防する
④骨格筋が増え、健康寿命が長くなる
⑤男性ホルモンの分泌を促し生殖能力が上がる
⑥活性酸素の量を減らしてアンチエイジング
⑦血管を弛緩させ、動脈硬化を予防する
⑧がん細胞を死滅させる
かかと叩きは、テレビを見ていてもできるので、日常習慣に加えたいものです。
