めまいには、さまざまな原因があるが、平衡感覚をつかさどる三半規管に異常が起こっている場合が多い。
三半規管のそばにある耳石器と呼ばれる器官から耳石が剥がれて三半規管に入り込み、中を満たしているリンパ液の流れに影響を与えるためにめまいが起こるのが「良性発作性頭位めまい症」。
めまいはどんな症状なのか?
どんな症状が出るの?
主な症状は、目が回る、フワフワするなどのめまいで、吐き気を伴うこともあります。
めまいが生じやすいのは、寝返りをうったとき、寝ている状態から起き上がったとき、急に後ろを振り向いたとき、急に上を向いたときなど、頭を大きく動かしたときです。
頭を特定の位置や角度にした時に症状が出やすいのが特徴。回転性めまいが数秒から数十秒続き、時には吐き気を伴う。難聴や耳鳴り、しびれなどの脳神経症状のない点が、他の疾患によるめまいとの違いです。
めまいはたいてい、10~20秒ほどで治まります。
症状改善へ運動療法有効です
まずは、どの体勢の時にめまいがするかなどから、左右どちらの三半規管に耳石が入っているか、診断を受けることが肝心。
右の内耳の三半規管に耳石が入り込んだ場合だと家庭でできる頭位運動はイラストの通りやってみてください。
(1)ベッドに正面を向いて座り、頭を左に四五度回す
(2)あごが正面へ戻らないよう注意しながら素早く右へ倒れ横向きに寝て二、三分静止
(3)あごの向き、角度はそのままで、今度は勢いよく左へ倒れ数分静止
(4)ゆっくり(1)に戻る。
(1)~(4)のセットを朝晩に一回ずつ。
左の内耳が原因なら、手順を全て左右逆にする。
めまいは、脳出血や高血圧などが原因の場合もあるため、自己判断は禁物です。必ず専門医に相談し、しっかり原因を突き止めてほしいです。