免疫はカラダのガードマン
私たちの体は常に外敵から攻撃されています。
ウイルスや、体内の細胞が突然変異を起こして発生するガン、ストレスなどもそうです。
このような外敵から体を守り、病気になるのを防いだり、かかった病気を治そうとする力が備わっています。これが「免疫力」です。
免疫はカラダに入ってくるバイ菌をやっつけてくれるありがたいガードマン。
カラダのなか、例えば、口の中や腸にもたくさんこの免疫細胞(抗体)はいます。
今の時期ならインフルエンザのウイルスなど、ここに何かしらの異物が侵入した時に入ってくるなと、ブロックしてくれるガードマンのような役割それが免疫です。
免疫力がさがると
免疫力が下がると、まずわかりやすいところでは、まさに感染症にかかるというところで風邪をひきやすくなるということです。
例えばシミとかシワなどの、肌の調子にも関わってきたり、疲れやすさにも関わっています。
年をとったり生活習慣が悪くなり、このガードマンが段々仕事をサボってしまうのです。
カラダの中では、傷ついたり古くなってしまった細胞が日夜生まれています。この細胞が放置されると多くの臓器の細胞が老化細胞になってしまいまいます。
この老化した細胞は、死なないだけでなく、周りの細胞にも働きかけ 周りの細胞も老化細胞にしてしまうのです。
ランゲルハンス細胞が老化細胞を掃除する
その事態を防ぐのが免疫です。
免疫にはガードマンである役のほかにもう一つ大切な役割があります。
それは、掃除屋としての役割です。
「この免疫細胞の機能を維持することによって、(老化細胞などの)肌トラブル因子の活性化を抑え、肌トラブルを防いでいます。」
紫外線などから肌の細胞を守る免疫の一つランゲルハンス細胞。ランゲルハンス細胞は表皮に存在する。
このランゲルハンス細胞が司令塔となって、老化細胞を掃除しているのです。
その掃除の実行部隊になるのがマクロファージなどの免疫細胞です。
こうして免疫細胞が、細胞内を監視して 細胞が老化する前にちゃんと掃除をすれば・・・。
新陳代謝がきちんと進み、肌の美しさが保たれるのです。
老化細胞が増え、免疫力が落ちる
本来ですと細胞というのは増殖が止まって、細胞の終活のような形でもう私は死にます(アポトーシス)と、いう状態になると、免疫細胞がお掃除をしてくれます。
きちんと両方が動いていると、肌の状態なども保たれるわけですけど、免疫もお掃除をサボるようになってきますし、細胞も老化して色々なダメージが蓄積してきて、死ぬべき細胞が死ななくなってくるとなる。
老化細胞も増え、お掃除役もいなくなってくるということが、カラダの様々なところでおこってきます。」
「特に高齢の方によくみられる病気、例えば脳ですと認知症、血管ですと動脈硬化の原因にもなると言われています。実は免疫と全然違うと思われていた病気でも、そこに免疫が関わっているということがわかるようになってきたのです。
腸管にはカラダの6割の免疫細胞がある
「腸管の中には、カラダの中の6割ぐらいの免疫の細胞が集まっていると言われていています。
腸の中には、ヒトの全細胞数よりも多い腸内細菌が住んでいます。腸内細菌はもともと人間から見て異物であるにもかかわらず、人間の免疫系から排除されないばかりではなく、人間と共生関係を結んで、私たちの身体にさまざまな栄養素を与えたり、免疫を強化したりすることがわかっています。
実際、腸内細菌叢の乱れはさまざまな病気と関係することも明らかになってきました。
ビタミンB1が不足すると免疫力が落ちる
腸内細菌が私たちの身体、特に免疫系に与える影響について紹介したいと思います。
腸の中にはパイエル板と呼ばれる、たくさんの免疫細胞が集まる場所あります。
パイエル板にいる免疫細胞には、特別な役目があります。
食べ物にまじって悪い菌などが腸を流れてきた場合、まずパイエル板に取りこまれます。
その菌が、害があるかないか、パイエル板の免疫細胞が判定。この情報を全身に存在する、ほかの免疫細胞にも伝えます。このお陰で、全身の免疫力が大幅にアップするのです。
「ビタミンB1が欠乏した状態になりますと、バイエル板がほとんど目で見えないぐらい小さくなってしまい、腸管でパイエル板が全く見つからないケースも出てきます。ビタミンB1が欠乏してしまうと免疫力が極端に落ちてしまいます。