長寿を難しくする要因

85歳の壁を越えろ

 今は心から望んで、それなりに対処する人は、誰でも100歳までは生きられる時代になりつつあるといわれますが、現実には85歳の壁を上手に乗り切った人が元気で100歳まで行き着けるともいわれます。

 現実には85歳近くで亡くなる人が多いのは、この壁があるからだといわれます。

 年をとってくると食欲も落ちてくるのが普通ですが、この流れで少食を常態としていると、85歳の壁を乗り切って進むのに必要な栄養分が摂れなくて、体力、筋肉力が落ちてきて体重が減っても年寄りだから当たり前と思っているうちに、生きるために必要な体力も気力も失ってしまい、バランスを崩してしまう人が意外と多いといわれます。

BMWも25くらいあって痩せていない人が有利です。 


腸の慢性炎症が起きる

  また高齢になると慢性炎症が体内で起きやすくなることだといわれます。

 老化の進行に伴って、慢性炎症が起こると老化が更に進行してしまうという悪循環の関係もあります。

 

慢性炎症は腸から始まることが多いです。

腸は食べものの通り道であると同時に、有害物質などの毒素が溜まりやすい場所です。 老化によって増えた時だけでなく、脂っこいものを食べ過ぎても腸はそれらを異物や敵と認識し、腸管を守ろうとして炎症が起こるのです。 

慢性炎症は、外から侵入した菌やウイルスに対して起こる急性炎症と違って、ほとんど気づくことはありません。しかし、弱くても慢性的に続くため、臓器の細胞をじわじわとむしばんでいきます。そして何より怖いのは、細胞に慢性炎症が起こった臓器は、元に戻りにくいということです 

 


粥状動脈硬化

よく知られている動脈硬化なども、血管内皮の慢性炎症の結果ともいわれ、粥状動脈硬化などは、まさに血管での炎症の真っ最中といわれるようになってきました。

 これを防ぐには、人間も自然界の摂理の尊重ということを考え、本来の食性から大きくは外れない範囲で、食律を守ろうとすることと、血液中に抗酸化物質が豊富に流れるようにすることです。


血管壁が酸化しはじめる

 血管を構成している細胞膜の表面はリン脂質であり、血液中で活性酸素が発生して内側から触れると、血管壁のリン脂質は激しく酸化して、その連鎖反応の流れでフリーラジカル分子を生んでしまい、これが血液中を流れて周辺の細胞膜のリン脂質に触ると、そこでの酸化反応がねずみ算のように広がるので、その周辺は短時間の間に組織ごとDNAも酸化され壊れていく危険が発生します。


抗酸化物質とは

抗酸化物質とは、酸化しない物質ではなく、いち早く活性酸素などの周辺の分子を酸化させるエネルギーを吸収して、自らはおとなしく酸化してフリーラジカルにならず、酸化の広がりにストップをかけられる物質です。

 最初にこの抗酸化力で有名になったのはビタミンCとビタミンEです。そのあとビタミン類は、皆

それなりに抗酸化力があることが知られるようになってきました。


抗酸化力が期待されるファイトケミカル

 次にミネラルの中にも抗酸化酵素の補酵素として強力な抗酸化力が期待されるものが出てくるようになりました。

 次に注目を浴びるようになったのがファイトケミカルといって自然界の植物が持っている色素などです。

植物が太陽の紫外線など酸化力の強い光を浴びてもめげないのは、植物が持っている色素などの抗酸化力によるのだろうと研究が進み、カテキン、フラボノイド、アントシアニンなどが有名になりました。

ファイトケミカル
ファイトケミカル

ビタミン、ミネラルの総合力が抗酸化酵素を産生する

 ビタミンやミネラルが補酵素として効くのは、そのビタミンやミネラルが抗酸化酵素の分子構造のポイントに入り込み、活性酸素の消去力がある抗酸化酵素に活力を与え、活性酸素を分解吸収してしまう力を発揮させるからです。このようにして効くビタミンBの仲間は単独の力ではなく、B群の仲間同士が協力し合って力を出せるものがほとんどです。

B群に限らずビタミンやミネラルは、単独力ではなく総合力で効くものが殆どなのです。


毎日の食事でアミノ酸の原料を摂る

 抗酸化酵素自体は生体内で、DNA情報によってアミノ酸から組み立てられるので、老化スピードを遅くするには、毎日の食事で蛋白質をこのアミノ酸の原料としてしっかり摂り続けることと、ビタミン・ミネラル類を摂り漏らしのないようにすることが大事です。

 そのためにはストレスにさらされている現代人は、微量栄養素が総合的に摂れるサプリメントを上手に使わないと、事実上は不可能といわれています。


ORAC値(抗酸化値)の高い食べ物

 米国立老化研究所によって開発され、米国農務省によって食物の抗酸化力を科学的に分析する基準として改良が続けられてきたのがORAC値(オーラック値)です。

 1グラム当たり何個の活性酸素を吸収できるかという考え方ですから、ORAC値が高いほど抗酸化の能力、つまり活性酸素を吸収して無害化する能力が高い食べ物ということになります。

 1日の食事の合計で約3万のORAC値の食べ物を摂取すると、血中の抗酸化レベルが20%ほどアップするというデータもあります。

体内に摂取する抗酸化物質の量が多ければ多いほど、健康で長生きすることができます。 


100歳長寿者はチョコレート好きが多い

 100歳超えのセンテナリアンや110歳超えのスーパーセンテナリアンにチョコレート好きな人が多いのはチョコレートはORAC値が高い嗜好品だからといわれます。

 40度を超えない低温度で造られたチョコレートでは、生カカオの高いORAC値を維持して5グラムでORAC値が5万もあるものもあります。

カカオ70%以上のチョコ一口を朝昼晩一日3回摂取するといいのではないでしょうか

 


とりあえず90歳まで元気に生きる

 生命の危機を招く危険なタイミングが85歳頃にくる人が多く、修正を拒否していると、この辺りで痩せこけて亡くなってしまうリスクが現実になってしまう人が増えるのです。

 

 とりあえず、90歳まで元気に生き延びるには、80歳過ぎて食欲の衰えを感じる時があっても、それを当たり前と達観せず、生きる力を衰えさせてはならじと頑張る気合いを入れ直し、食べる力を落とさないことが大事といわれます。

 85歳前後でも毎日味噌納豆などの発酵大豆と魚を中心にして蛋白質とサプリを活用して微量栄養素群をしっかり摂り続け、この栄養の力と噛む力で85歳の壁をゆうゆうと乗り越えてください。