油で変わる脳の健康

油で変わる脳の健康

油は「健康に悪いもの」だと思っていませんか?

積極的にとるべき油と避けたほうがいい油があることがわかってきています。

油をとると、太るしコレステロールも高くなる。

だから油は極力とらないようにしている、という人も多い。油(脂質)は、人間の体を正常に保つために必要なもの。体内のすべての細胞膜の原料になっています。

油は脳の健康にも大事ものなんです。


脳は脂質が60%

脳は体内で最も脂っぽい臓器なのです。人体の中で脳はもっとも脂質が多い。おなか回りの脂肪は減らしたくなりますが、脳にとって脂質は重要な栄養素だったんです。脳の組織は、水分を除くとなんと60~65%が脂質(脂肪酸)で出来ている。  脳のほとんどは脂肪。脳に必要な栄養のもっとも大事なものは「良い油脂を摂る」ということになります。良い油は脳の細胞をいつまでも若々しく保たせ、脳神経そのものの材料になります。良い油を摂取している人の脳はいつまでも柔らかく若々しいのです。

きちんと機能し続けるために、食べ物から良い脂肪を必要としています。


脳はトランス脂肪酸が嫌い

トランス脂肪酸は脂肪酸の一種で、油脂を精製・加工する際にできるものです。トランス脂肪酸とは、マーガリン、ショートニング(ショートニングとは動物油や植物油を原料としたクリーム状の食用油脂、ふわふわのパンを作るため、マーガリン、バターなどの固形油脂は必須の原材料)、食用植物油、加工油脂に多くトランス脂肪酸が含まれています。

 揚げ物や、加工して焼いた食品によく含まれている「トランス脂肪酸」は、摂りすぎると脳に悪影響を与えるだけでなく動脈硬化(冠動脈疾患)の原因になることが知られています。

トランス脂肪酸が記憶力を低下させる可能性があることがわかっている。また、トランス脂肪酸をたくさん摂取すると、脳が小さくなる傾向があるという。トランス脂肪をたくさん含む食品を控えると、あなたの脳(それにウエストも)は喜ぶでしょう。

トランス脂肪酸を多く含む食品
トランス脂肪酸を多く含む食品

脳の健康にはどんなオイルを摂ればいい

 脳の健康を保つには、高血圧、肥満、高脂血症や糖尿病などの生活習慣病を予防すること、運動、脳を使うトレーニングなど、様々な対策が必要です。

 

「このオイルを摂るだけで脳の健康はバッチリ」というわけにはいきません。 現代人の脳には“毒”が溜まっている!脳や体の炎症を防ぐ、オメガ3、オレイン酸が豊富なエクストラバージンオリーブオイル、中鎖脂肪酸が主成分のココナッツオイルやMCTオイルがよい油です。

脳の働きを良くし、エネルギーになるオイルを積極的に摂取することは、認知症予防にもつながります。


脳の健康維持に必要なオメガ3

オメガ6(サラダ油など)をとり過ぎると、動脈硬化やアトピーなどになりやすいといわれています。脳の働きが低下するなど、脳の健康にも影響が及んできます。

オメガ3系の中でも青背魚に含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)は、血液をサラサラにしてくれるほか、脳を元気にさせるBDNF(脳由来神経栄養因子)という物質を増やし、活性化させるとことが知られています。

脳の健康のためにも魚油、オメガ3の油を積極的にとりたましょう。毎日、エゴマ油、亜麻仁油などのオメガ3の油を小さじ1杯摂りましょう

 



オリーブオイル、オメガ3の油摂りすぎは×

アマニ油、オリーブオイルには、健康に良いとされる不飽和脂肪酸以外に、動脈硬化の原因になる飽和脂肪酸も含まれています。そのため、過剰に摂り続けると飽和脂肪酸の摂取量も増えてしまい、大病につながる恐れがあります。厚生労働省の食事摂取基準によると、成人が1日に摂取してもいい油の量は約60g。肉類や乳製品、お菓子などの加工食品にも脂質が多く含まれているため、気をつけていないと摂取量を軽々とオーバーしてしまいます。

 


認知症はⅢ型糖尿病?

脳が活動するためのエネルギーとなるのはブドウ糖です。

アルツハイマー型認知症の脳は、ブドウ糖を効果的に取り込めず、エネルギーとしてうまく利用できません。脳はエネルギー不足になり十分に働くことができず、認知機能の低下につながっています。認知症は、脳の中でブドウ糖が取り込めないので、Ⅲ型糖尿病ともいわれています。

 

ブドウ糖に替わる脳のエネルギー源として注目されているのがケトン体です。そのケトン体を効率よく作り出す材料となるのが中鎖脂肪酸。

 

 

 


ブドウ糖だけがエネルギー源ではない

脳のエネルギー不足を補う中鎖脂肪酸

エネルギー源として代謝されるまで時間を要するブドウ糖と違い、摂取すると直接肝臓に運ばれ、素早くケトン体に変換されエネルギーとして利用されます。

もちろん脳だけでなく、身体のエネルギー源としても有効です。

中鎖脂肪酸(MCTオイル)は通常の油より約4倍早く消化吸収、エネルギーになるので、体脂肪としてためずに、エネルギーをしっかり摂取できます。

中鎖脂肪酸は脳に十分なエネルギーを供給し、活発な活動をサポートします。お勧めなのは100%中鎖脂肪酸で香りもほとんどないMCTオイルです。加熱調理するとバターのように煙が出やすいので、食べ物や飲み物にかけるのがよいでしょう。

摂りすぎると下痢などを起こす場合があるので、1日大さじ1杯(14g)を目安に、小さじ1杯(4.6g)程度から徐々に増やすようにしてください。


健康にいい油の摂取のしかた

炒め物、揚げ物には、酸化しにくい、オレイン酸が豊富なエクストラバージンオリーブオイルで体内の酸化を守る。

エゴマ油、亜麻仁油等のオメガ3の油は、サラタなどに小さじ一杯程度入れるか、青魚を食べることで血液をサラサラに保つ。中鎖脂肪酸(MCTオイル)は、ブドウ糖に変わるエネルギー源になるので、ごはん等の糖分は控えめ(半分程度に減らす)して下さい。糖分が枯渇するとケトン体がエネルギー源として働きます。お腹がすいて我慢できなくなった時は、珈琲などに入れ摂取する。夜寝る前にも、白湯など入れ摂りつづければ、2週間程度でケトン体体質に変わり、糖分を控えてもいい体に変わってきます。

そうなれば、脳も喜び、ウェストも引き締まってきます。