ぐっすり寝るには2

体内時計のずれ

 人間には体内時計があり、最近の研究の報告によると体内時計は24時間11分とされています。1日の24時間と少しずれているため睡眠にも影響が出るといわれている。たかが11分と思うかもしれませんが、放っておくと1週間で1時間以上、1カ月にすると4時間以上もずれてしまうことになります。これをリセットして24時間と合わせることで、生活のリズムが生まれます。

そして夜になったらメラトニンという睡眠をうながすホルモンが分泌されるため、質のいい睡眠も可能になります。


脳が眠りを拒否する「睡眠禁止ゾーン」とは?

「いつもどおりの時間に寝るのがいい」と言うと、よく「夜更かしはいけないという」ことだけではないんです。

 明日、朝早起きしないといけないので、早めに床についても、なかなか眠れないのは、睡眠禁止ゾーンがあり睡眠が得られないことがわかっています。

 人は朝起きてから、16時間後の夜になると眠気のもとである、睡眠ホルモン(メラトニン)が多く分泌され「睡眠圧」がどんどん溜まり、入眠するとことが出来ます。最初のノンレム眠溜まった「睡眠圧」が放出されるので深い眠りに入れるのです。


「睡眠圧が最も高まる」入眠直前がいちばん眠くなると考えられていたのですが、実験では「いつもの寝る時間の2時間前くらいから入眠直前までは寝にくい」ことがわかってきています。

これは、日中眠気に対抗して覚醒を維持しようとするシステムが眠る直前に最も働くからだと考えられています。

「就寝直前の2時間はいちばん眠くない」のです。ここの時間帯が睡眠禁止ゾーンです。


いつもより早く起きたいときは?

 睡眠を「後ろにずらすのは簡単、でも前にずらすのは困難」これが睡眠の性格といえるでしょう。 なので、「明日早い」というときは、無理せずいつもどおりの時間で眠るか、もしくはどうしても1時間早めに寝たいなら、いつもより1時間早くお風呂に入って、ストレッチなど軽い運動を組み合わせて体温を作為的に上げることをおすすめします。


深部体温と自律神経のリズムを整える

早く床についても“ぐっすり眠る”(眠ってから4時間以内に深睡眠を2回以上取る)ことができるのだろう? ポイントは「深部体温と自律神経にあります」

深部体温とは、内臓など体の内部の体温。これは1日の中でも規則的に変動する。最も低いのが明け方で、目覚める前から上がり始め、起床11時間後に最も高くなる。夜になって深部体温が下がると眠くなる。

 「睡眠の質が悪い人は、この深部体温のリズムが乱れていることが多い。夕方になっても体温が上がらない、眠る時間になっても体温が下がらないので眠くならないというわけです」

 


3つのぐっすりストレッチ

お風呂の温度を40〜42℃の温度でゆったりとしてしお風呂に15分程度入る。

首もみストレッチ

このストレッチはお風呂に入りながら、1分程度行うとよい。最初に深部体温を上げておくと、寝るときに下がりやすい。多くの血管が集中しているうなじを温めることで、効率よく血行を改善し、深部体温を上げることができる。マッサージによってさらに血行を良くするとともに、首の筋肉の緊張をほぐし、リラックス効果も得られる。


 腕まわしストレッチ

 このストレッチは寝室で行う。肩甲骨の周辺には褐色脂肪細胞が多く、ここを刺激することで深部体温が効率よく上がる。肩の筋肉の緊張をほぐすことでリラックス効果もある。

(1)眠る準備を整え、部屋の明かりを消す。

(2)腕を曲げ、脇を開いてひじを上にあげる。


(3)そのまま後ろに向かって、ひじを大きくゆっくり回す。左右の肩甲骨を寄せるようなイメージで。次に、

(4)ひじが体の前に来たら手を組み、前方に腕を伸ばす。

(5)そのまま腕を頭の上まで持ち上げ、ぐっと伸ばす。2~3秒間キープしてから手を下ろす。

(6)以上の動作を5~6回繰り返す。

 

 


足首曲げ深呼吸

このストレッチも寝室で行う。手足の末端から熱が放散されることで深部体温が下がる。足の血行を良くすることで熱が放散されやすくなり、スムーズに深部体温が下がる。さらに、ゆっくり息を吐くことで副交感神経が優位になり、リラックスすることができる。

 

“ぐっすりストレッチ”は手軽に行える。今の睡眠に満足していない人は、早速今夜から実行してほしい。


 (1)布団に入る。

(2)3秒ほどかけて鼻からゆっくり息を吸いながら、左右の足首を手前に曲げる。

(3)3~5秒ほどかけて口からゆっくり息を吐きながら、ふくらはぎと足首から力を抜く。

(2)(3)の動作を5~6回繰り返す。いつもより1時間早くお風呂に入って、ストレッチなど軽い運動を組み合わせて体温を作為的に上げることをおすすめします。