糖化と老化

加齢による老化は、誰しも逆らえないもの

「見た目年齢」を若々しく保つことは、努力すれば可能です!

そんなアンチエイジングで最近話題の「糖化」に注目。

糖化とは、身体に中でタンパク質と余分な糖が結びついて、タンパク質が変性、劣化してAGEs(蛋白糖化最終生成物)という名の老化物質(悪玉物質)を生成する反応のことです。AGEsは強い毒性を持ちながら、肌・脳・血管組織などの老化を進める物質です。

動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞、白内障、骨粗鬆症、関節リウマチ、アルツハイマー病などの病気を引き起こすとされています。


たるみ、くすみ、シミの「原因」は糖化?

お肌の「コゲ」とは、お肌の表面が茶色に変化してしまう状態をいいます。コラーゲンやケラチンといった角質は透明です。

それが、「糖化」することによって黄色や茶褐色に変わり、やがてはお肌のくすみ、老化を招きます。

コラーゲンは、肌のハリや弾力を作る働きをしています。

エラスチンは、線維状のタンパク質で、コラーゲン同士を結びつけてお肌のキメを整えています。

コラーゲンやエラスチンなどのタンパク質は、糖化すると、途端にしなやかさをなくし、固くなってハリを失い、「たるみ」が生じます。

そして、糖化タンパク質が褐色に変化し、次第に蓄積されることで、お肌の透明感は損なわれ「くすみ」の原因となります。

糖化タンパク質は、一旦変性されると分解されにくい特徴を持っています。そのため、お肌のターンオーバー(生まれ変わり)は緩やかになり、古い表皮のままメラニンの排出が行われずに「シミ」を作ることになります。

AGEs(最終糖化生成物)は、体内でコラーゲンなどのたんぱく質と結合し、その結果、それらは異物と判断されます。AGEsを分解しようとコラーゲンやエラスチンの分解酵素であるコラーゲナーゼやエラスターゼの分泌量が増え、AGEsだけでなく、正常なコラーゲンやエラスチンまで分解するように働いてしまうため、この現象が皮膚で起こると、シワやたるみの原因となります。


糖化によって考えられる老化症状

肌のハリや弾力が失われ、たるみやすくなる

肌にシミやシワができやすくなる

肌のくすみや透明感のなさが目立つ

髪の毛のハリやコシが失われる

血管が詰まりやすくなり、動脈効果に繋がる可能性

骨がもろくなり、骨粗しょう症になる可能性

脳の老化にも影響するため、アルツハイマー病の可能性


体内のどこにAGEsが蓄積されているかによって症状が違う

お肌の糖化を防ぐには?

○余分に摂った糖質が体内のたんぱく質と結びついてしまうケース。

体内の細胞に送られた糖が多いと、使い切れずに余った状態となってしまうのです。血糖値は糖を過剰に摂る、または一気に摂ってしまうと急激に上がってしまいます。先に食物繊維を多く含む野菜やきのこ類を食べ、血糖値の上昇を緩やかにしましょう。

 


血液中に長く糖分が残っていることで、タンパク質が糖化

調理法を工夫をしよう焼き色に注意する

 ○AGEs含有量が多い物を食べてしまうケース。

高温調理を避ける、コゲができやすい高温調理になるほどAGEsが増加します。

フライパンで油をひいて焼く、炒める、揚げるといった調理より、100度以上にならない、茹でる、蒸すといった調理方法の方がAGEsは少なくなります。例えば、じゃがいもを25分茹でるより、揚げてフライドポテトにする方がAGEsは高くなります。

また、電子レンジはコゲはつきませんが、マイクロ波を使い短時間で高温加熱をしているため焦げ目をつけているのと同じ状態となります。


同じ食材でも、調理方法でAGEsの量が大きく変わります。糖化はカラダのこげとも呼ばれているように、こんがりとおいしそうな焼き色は、糖化によってAGEsが生成されたということです。高温でこんがり調理するよりも、生で食べられるものは生で食べましょう。

揚げ物などAGEsの高いものを食べたいときは、AGEsの増加や吸収を抑えてくれるものと一緒に摂るのがおすすめです。たとえば、AGEsの吸収を緩やかにすると言われているのがクエン酸。酢やレモンをかけたり、抗酸化作用のある緑黄色野菜を一緒に食べたりすると良いでしょう。ほうれん草、かぼちゃ、小松菜、春菊。またカテキンを含んだ緑茶やポリフェノールはAGEsが作られるのを抑えます。


食べる順番を「変えるだけ」でも、効果が抜群

お肌の糖化を防ぐには、糖質とタンパク質が出会う機会を、できるだけ減らすことが大事です。

(1)高血糖状態を控える

(2)急激な血糖値の上昇を防ぐ

2つが効果的です。どちらも、食事内容や食べ方の見直しが必要です。

高血糖状態を控えるには、炭水化物や甘いものを制限します。まずは、今よりも、白米・麺類・パン・菓子類の量を減らすことで、効果を実感しましょう。また、食事の際に食べる順番を変えることでも、糖化反応の防止につながります。急激な血糖値の上昇を防ぐために、「野菜から先に食べる」という方法です。これは血糖値がゆるやかに上昇することで、糖化タンパク質を作らせない対策としては、たいへんに有効です。

 

 


糖化は「老化」と「病気」の大きな要因です。

私たちが生きていく上で糖化を全く起こさないことはもちろんできませんが、自分の努力で糖化を抑制することができます。若さと健康のために、これらのことをぜひ参考にしてください。