疲かれるのは、「からだ」ではなく「脳」です

 疲労とは、一般にいわれている、エネルギーの枯渇、乳酸の蓄積で

ありません。

疲労とは酸化ストレス(活性酸素が細胞を錆させる)からです。

活性酸素が神経細胞自体をさびつかせてしまうので、さび付いた細胞で構成されている組織は、本来の機能を果たせなくなってしまう。これこそが疲労の正体です。

運動すると疲れるのは「体」ではなく「脳」です。

運動すると体温があがる。上がった体温を安定させることに負担がかり、自律神経の制御で調整している。そこの自律神経が疲労するのです。


酸素と活性酸素

酸素は「細胞のエネルギー」を生みだす必要なものです。

酸素は細胞のエネルギー生み出すために必すす要なものです。

人間や動物は歩いたり動いたりすることによってからだの機能を保てようになっています。

 現代の便利な生活では人間はあまり歩いたり動いたりしなくても生きていくことができるので、運動不足になりがちです。

運動不足になれば心肺機能が低下し酸素を取り込めなくなり、血行も悪くなり、血行も悪くなって酸素や栄養の供給がされにくくなります。


酸素は不可欠なものだが

私たちは呼吸によって酸素を体内に取り入れていますが、そのうちの約2%が活性酸素になるといわれています。

活性酸素とは、「ほかの物質を酸化させる力が非常に強い酸素」のことです。

さまざまな老化現象を活性酸素は殺菌力が強起こす悪者としても有名です。でも体内では細菌やウィルスを撃退する役目もしています。

ただ過剰に発生すれば身体を「酸化」させ、害になります。

人間のからだには「スカベンジャー」と言われる抗酸化物質が酸化を防せいでくれています。

  運動時には、体温の上昇や酸素不足が起こりやすく、生命維持に必要な体の状態を保つために、脳は酸素を大量に消費しています。その分だけ活性酸素が細胞に出現しています。

活性酸素が大量に発生すれば、抗酸化物質が対応しきれなくなり、細胞が酸化され、疲労となっていくのです。


疲れは自律神経の疲れが原因

疲れの原因は、運動した時もデスクワークをした時も、あるいは眼底疲労でも、すべて脳の自律神経の疲れにあります。

 自律神経は、運動の時は千分の1秒単位で心拍や呼吸、体温を調節しています。

デスクワークの際は、脳内を交感神経優位な状態に保ち、作業をこなします。

 つまり、人間は覚醒している間、常に自律神経を酷使している状況にあります

自律神経を構成する神経細胞は、自律神経が酷使されると大量に酸素を消費します。その際に発生するのが活性酸素です。

この活性酸素が神経細胞自体を錆(さ)び付かせ、神経細胞の働きを鈍らせ、作業効率や緊張を低下させてしまうのです。

つまり、脳の自律神経の細胞が錆び付いた状態が「疲労」いえます。

「自律神経の中枢は脳幹にある。ずっとハードな作業を続けていると同じ神経回路がくり返し使われて、脳幹のほか大脳にも疲労が蓄積する。結果として、脳が老化します」。


睡眠をとれば疲れがとれる?

通常は、質の良い睡眠を十分に取れば、眠っている間に細胞の錆びを洗い流してくれます。

朝には細胞はリフレッシュした状態に戻るわけです。

自律神経の細胞が錆び付いた状態が「疲労」いえます。

 ところが睡眠の質が悪かったり、睡眠時間が足りなかったりすると錆びが残り、細胞にこびりついてしまいます。

1日だけなら睡眠でリフレッシュできますが、錆びがこびりついてしまうと、元の状態に戻るのが難しくなります。これが「老化」なのです。

 つまり、神経細胞の錆びが一過性で、洗い流すことができる段階が「疲労」であり、錆びが不可逆的にこびりついて、神経細胞が本来の機能を失った状態が「老化」というわけです。


つまり、老化を防ぐ最も有効な手段は、自律神経の細胞に錆びがこびりつかないように、つまり疲労を蓄積させないように過ごすことです。実際、疲労が慢性的に蓄積すると老化が進み、生活習慣病や心筋梗塞、脳卒中のリスクが高まることが知られています。

老化を抑えるには、日々の生活の中で自律神経に負担をかけないこと。

 

 そして、翌朝までに質の良い睡眠を十分に取り、細胞の錆びをしっかり洗い流すこと。すなわち自律神経を癒やしてあげることがもっとも重要といえます。