基礎代謝をあげる
病気や予防のためには、免疫力を上げるための、基礎代謝を上げることも重要です。
基礎代謝とは、呼吸、心臓に血液を送る、体温調整、脳や内臓、神経活動で生命活動に最低限必要なエネルギーのことです。
基礎代謝が低いと、体温は下がる傾向にあります。
人は生活や身体活動、生命の維持のために、外から栄養を取り入れ、消化、吸収、排せつという流れを繰り返しています。
体内に取り込まれた栄養は、からだの成分や細胞になったり、呼吸によって得られた酸素で形を変えたり、熱を発生させることもあります。
食事から摂取された糖質・脂質・たんぱく質などの栄養素は、消化・吸収され、それぞれの用途へ運ばれます。
そのままの状態では、大きすぎる分子(高分子)のため吸収されません。消化管の中での酵素のはたらきによって、より小さな分子へと分解(消化)され、吸収されます。
分解された栄養素は主にエネルギーとなります。エネルギー源として貯蔵されたり、細胞の構成成分となったりします。
エネルギー代謝量は、たくさん動くときは多くのエネルギーを使い、安静にしているときは少しのエネルギーを使うのです。
基礎代謝がさがると
代謝の低下によって体温が下がると、血管が収縮して血流が悪くなります。血液は栄養と酸素などを届ける重要な働きがあり、その働きを改善させるため 体を温めようと皮下脂肪を蓄え始めます。代謝が落ちて消費されないエネルギーが皮下脂肪の蓄積に使用されて太っていくのです。
基礎代謝が低下するということは、生きるのに使うエネルギー量が減るということでもありますが、 血管や内臓や筋肉の機能が衰えているということでもあるのです。基礎代謝が低下することで、次のような症状につながる恐れもあります。
肌荒れ・冷え性・低血圧・低体温(平熱が35℃以下)・顔色が悪い・疲れやすい・生理不順・便秘など
体温が下がると体に及ぼす影響
私たちの体は36.5~37度くらいの体温が、最も体の機能がうまく作用するようになっており、それよりも低下すると、さまざまな不調や病気を起こしやすくなります。
特に、体温が35.5度以下の状態が長期間続くと、排泄機能の低下、アレルギー症状、自律神経失調症などが出やすいとされています。35度はがん細胞が最も増殖しやすい体温です。
また、体温が1度下がると免疫力が30%以上も低下する、代謝が約12%低下するといわれています。免疫力が低下すると病気にかかりやすくなり、代謝が低下すると血液中に燃焼しきれなかった老廃物が残ってドロドロ状態となり、動脈硬化の進行を促します。さらに、代謝の低下は、体温を維持するためのエネルギー産生がスムーズにできなくなり、さらなる冷えを招くことになります。
基礎代謝のあげ方
基礎代謝の高い体とは、摂った栄養素をしっかり利用できる体のことです。基礎代謝が高い=1日に消費するカロリーが多いということです。特に運動をしなくても多くのカロリーを消費するので、「基礎代謝が高い体=太りにくい体」といえます。逆に基礎代謝の低い体とは、摂った栄養素を利用しづらい、カロリーを消費しづらい体ともいえます。基礎代謝の低下により 消費カロリー<摂取カロリーの状態に陥りやすい。基礎代謝を高めることが有効です。
基礎代謝を高めるには次の方法があります。
1朝ご飯をしっかり食べる
2水分を多めにとる ...
3体が温まる食べ物をとる ...
4入浴、HPS、炭酸泉
5 ストレッチには自律神経を整える作用があります
6深い睡眠をとる
朝食をしっかり食べる
就寝中は脳や体を休息させようと代謝量を減らすために、体温が1.5~2℃程度低くなっており、朝ごはんを食べることで体を目覚めさせ、代謝アップの準備をさせます。朝ご飯を食べずに体温が低いままで過ごすと、基礎代謝も下がってしまい免疫力も落ち燃えにくいカラダになってしまいます。体温がなかなか上がらないと食も進まないので、暖かい飲み物を摂り体温を上昇させましょう。排便がスムーズにできず便秘になってしまうと肝臓に負担がかかり代謝が落ちてしまうため、しっかり排便できるよう朝ごはんを摂取することはとても重要です。朝食を抜くと便秘解消に効果的な食物繊維が不足してしまい代謝が落ち、脂肪燃焼効率が下がってしまいます。朝食は和食がいい、さまざまな栄養素が摂りやすい。ご飯にみそ汁、副菜1~2種類という内容が好ましく、ご飯は血糖値の急激な上昇を避けるため、白米よりも発芽玄米や雑穀米を選択するとよい。また、発酵食品や野菜をメニューに取り入れることが大切です。
水分を多めに摂る
水分は消化を助け、肌を健康的に保ち、満腹感を与え、食べすぎを防いでくれます。腎臓を良好な状態(毒物を排出してくれます)に保ち、日々の活動を助けてくれます。水分が不足していると疲れを感じます。十分に水分を摂っていると、心臓が効率的に血液を体に送り出してくれ、水分が細胞に酸素やその他の重要な栄養素を運んでくれます。筋肉を活発に動かし、けいれんを防いでくれます。水は目を覚ましてくれたり、注意力を増したりしてくれるだけではありません。運動中の疲れを軽減してくれます。よく働く人や、労働時間が長い人にはありがたいことでしょう。
ある程度水分が不足していても生きられますが、気持ちよく過ごせません。必要量を摂取するのは、始めは難しいかもしれませんが、続けると習慣化され、健康な生活を送れます。十分に水分を摂取して、体の不調を防ぎましょう。水は冷たいまま飲まない、体内がで温めるのに時間がかかるので、体温以上、50℃以下で飲みましょう。
からだが温まる食べ物をとる
生姜をすりおろして、はちみつなどと一緒に熱湯に混ぜて作る生姜湯は、とにかく寒いときや風邪をひいたときなどの強い味方です。しかし、生姜以外にも、体を温めてくれる食べ物はたくさんあります。土の中で成長する、地面の下に埋もれているものは、体を温める性質をもっています。根菜類やイモ類は自分に熱があるので、熱い太陽から逃れようとして、地面の下へ深く伸びようとします。ゴボウ、山芋、レンコン、ニンジン、生姜、カブなどが挙げられます。きんぴらごぼうに使われるニンジンとごぼうは産地や色、土の中で育つため、体を温めるレシピです。発酵食品には体の代謝を良くする酵素が入っているため、
発酵食品は体を温めます。発酵食品として代表的なものは、味噌や納豆、醤油、漬物、チーズやヨーグルトなど。
発酵しているものは、成分が酸化して「酵素」を生み出します。酵素は体内で食べ物の消化などを行う働きがあり、その働きの際に熱を生み出すので、体を温めると考えられているのです。代表的な発酵しているお茶としては紅茶、発酵していないお茶には緑茶が挙げられます。
入浴・HSP
温浴は、からだを暖めると、疲れ、病気予防になる。毎日、40℃~42℃のお湯でからだを10分程度温める。愛知医科大学 伊藤要子医学博士が提唱しているヒートショックプロティンを紹介します。私たちの細胞は水分を除けば、ほとんどがタンパク質でできています。HSP(ヒートショックプロティン)は、ストレスにより細胞の中で増え、構造がおかしくなったタンパク質を修復して元気にしてくれる素晴らしい存在なのです。そのHSPを自身で増やし、自己回復力を向上させることで、病気の予防や美肌へつなげ、健康に役立てることができるのです。熱ストレスで発現するタンパク質で、変性したタンパク質を治したり取り除いたりするのです。温泉の効果の一つにHSPの発現があると言われていて、なにもHSP入浴法に限った話ではありません。免疫力UP&代謝UPを期待する、HSPを多く発現させるには、体の芯まで温まる必要があります。身体を温泉で温めてがんが消えた、発熱後、抗がん剤も効かなかったがんが消えてなくなったなど、このHSPの発現の効果ではないかと考えられていて、その利用の研究開発が期待されています。
入浴・炭酸泉
「放射線ホルミシス」とは、放射線を大量に用いると有害であるのに、微量ならば逆に有益な作用を及ぼす。「少しの放射線は、免疫機能の向上など、身体組織の活性化をもたらし、生殖能力を増し、老化を抑えて寿命を延ばすなど、ポジティブな効果を生じる」といわれています。ラジウムやラドン(トロン)などの温泉は放射線の恩恵を受ける温泉です。秋田県玉川温泉、鳥取県三朝温泉などが有名です。低レベル放射線ホルミシス効果の研究は、現在まで多くの効果が発表され、医学界でも注目されています。
微量の放射能でも怖いと思われる方におすすめは、炭酸泉です。炭酸泉とは炭酸ガス(二酸化炭素)が溶け込んだお湯のことです。
温水に溶けた炭酸ガスは非常に分子構造が細かいため、皮膚から浸透され毛細血管の中に入っていきます。こうして血管内の二酸化炭素濃度が高まると、次はより酸素を供給するために血管を広げて血流を増やし、普段の3~7倍多くの血液が流れるようになります。血液には、体に取り入れた栄養や酸素を体中に届けると同時に、老廃物や発痛物質、疲労物質などを回収して代謝させる働きがあります。血流が促されると、体に必要な物質の取り込みや、発痛物質や疲労物質の回収がスムーズに行われます。つまり、炭酸ガスが溶け込んだ炭酸泉などにつかれば、入浴本来の血行促進効果をさらにアップさせるので、疲労回復をはじめ、腰痛や肩こりといったさまざまな不調を改善しやすくなるのです。
スーパー銭湯などで簡単に入浴できます。
ストレッチは自律神経を整える
ストレッチをすることで、身体をリラックスさせてくれる「副交感神経」の活動が優位になり、心身を落ち着かせてくれる働きがあります。自律神経を整えるためのストレッチのコツは、痛くならないようにゆっくりと、ある程度の時間をかけてあげることが重要です。特に「寝る前にストレッチ」は心地よい睡眠に導いてくれる合理的な活動なんです。ストレッチはお風呂上がりが特におすすめです。普段より血流がよくなっており、筋肉が柔らかくなっています。よく伸びるようになりますので、効果的にストレッチができます。
つま先上げ・かかと落とし
①左足を半歩前に出し、かかとを床にしっかり着け、つま先をできるだけ高く上げ下げします。1秒で1往復の速さで10回した後、1秒で2往復の速さで20回、計30回が目安。反対側の足も同様に行います。
②握りこぶし1つ分足を開き、左右のかかとをできるだけ高く上げて戻します。1秒で1往復の速さで10回した後、1秒で2往復の速さで20回、計30回が目安。
ファシアゆるゆる体操
ファシアは血管や臓器、骨などを包む膜のことを指します。
長い時間同じ姿勢をとったり、筋肉を使いすぎたりすると、筋肉がギュッとがんばってしまい、その上にある筋膜も硬くなります。それをほぐすことで、肩こり、猫背、ポッコリお腹がへこみます。
1、腕を前から後ろ方向にゆっくりと5回まわす。
2.次に上の状態から腕を前から後ろ方向にゆっくり
このように肘はまげて、肩を回すように意識して行います。
肩甲骨にしっかりつけてまわす、これをゆっくり5回まわす
背筋は上体を支える筋肉なので、美しい姿勢を作るためには重要な筋肉です。背筋の衰えが猫背を招き、さらにぽっこりお腹を作ってしまいます。
ゴキブリストレッチ
寝ながら、ストレッチ「ゴキブリ体操」。
名前の通り仰向けになって脚と腕を上げて、ぷるぷる震えさせるだけ。寝起きに行えば自律神経が整ってすっきり起床でき、就寝前ならよい睡眠が。この運動で腹筋や腸腰筋、大腰筋、骨盤内腔にある筋肉が鍛えられると腹腔を覆うコルセットのような状態になり、体全体の脂肪代謝を促進する効果も。
【1】両手、両足をまっすぐ垂直に伸ばす。
【2】ひっくり返って足をバタつかせるゴキブリをイメージしながら両手、両足を動かす。初めはゆっくり、だんだん速く。頭を軽く持ち上げるとより効果的。
睡眠中は、深い眠りの「ノンレム睡眠」と浅い眠りの「レム睡眠」を繰り返しています。一晩にノンレム睡眠とレム睡眠を4~5回繰り返します。ノンレム睡眠の最も深い眠りを得られるのが最初の1~2回。つまり寝入ってから約3時間の間に深い眠り=ノンレム睡眠に達すれば、脳もカラダも休ませることができるため、朝起きた時に「ぐっすり寝た」という満足感を得ることができるのです。そして寝入ってから2~3時間後に分泌されるのが成長ホルモンです。成長ホルモンは、「細胞の修復」や「疲労回復」を行っています。明け方になると、成長ホルモンに代わってコルチゾールというホルモンの分泌が高まります。コルチゾールは、体内に蓄えられた脂肪をエネルギーに変えるホルモンで、体が目覚める準備を始めるのです。睡眠の質がよくないと、成長ホルモンが十分に分泌されないうちにコルチゾールの分泌が高くなってしまいます。睡眠が不足と感じるのです。それは、成長ホルモンが十分に体にいきわたっていないからです。
睡眠や入浴、食事を計画的に行うことを考えましょう。
食事は床に就く3時間以上前にすませ、胃腸を休めてから寝るのが理想的です。また、質のよい睡眠のためには、体を温める食事を選びましょう。人は高い体温が下がるときによく眠れます。適度な疲労感は、睡眠のよきパートナーです。しかし寝る直前に運動すると体温が高くなりすぎ、寝付くことが難しくなりますから注意しましょう。入浴は40度くらいのぬるめのお湯にゆっくりつかるのが効果的です。リラックス効果が得られるだけでなく、高くなった体温を放熱しようと血管が開くことで、副交感神経が優位になります。そして血流のよくなった四肢から熱が逃げていき、体温が下がることで寝付きやすくなるのです。風呂上がりに手首や足首を伸ばすといった軽いストレッチを行うことも、質のいい睡眠の後押しとなります。
自己免疫疾患で困っている方は多いのにびっくりです。自己免疫疾患の治療は、がん治療より難しいかもしれません。自己免疫疾患とは、本来は外敵を攻撃するはずの免疫細胞が、過敏に働き正常なカラダに攻撃し炎症をおこしているのです。親からの遺伝、生活環境、食事などが影響を与えています。医者も手こずっておられます。一朝一夕には改善は難しいかもしれませんが、まずは、腸内環境をよくすることに心がけてください。腸内には、相反する勢力が融和しながら存在します。悪い勢力が蔓延ると、カラダに悪影響をあたえます。腸内環境が整えば先の見通しが立ちます。それから免疫力をあげる工夫と、基礎代謝をあげることに心がけてください。ご覧いただきありがとうございました。一日も早く回復なさることを念じております。