一酸化窒素NO(エヌオー)ってなに?

NO(一酸化窒素)といえば、自動車の排気ガスなどに含まれ、スモッグや酸性雨といった大気汚染を引き起こす原因物質のひとつとして以前から知られてきました。5
ところが、実はこのNOが、人間の体内では血管を拡張させて、血流を調整する手助けをしていることが明らかになっています。
一酸化窒素で血管の若返り

NO(エヌオー)は、心臓と血管の健康に欠かせない物質です。
心臓と血管は、血液を介して酸素・水分・栄養分を全身に送り届けと同時に老廃物を排出しています。血管は体の全細胞をコントロールしている重要な器官です。
血管の柔軟性を保つことこそ、健康と若々しさを保つ秘訣といえます。一酸化窒素(NO)は生体内で合成され、血管拡張作用や血小板凝集抑制作用など血栓症や止血と関わりの深い生理作用を持つています。
血管を柔らかくし広げる

NO(エヌオー)の主な働きは血管の筋肉をやわらかくして広げ、血流をスムーズにする血管内のコレステロール体積や血栓NOの主な働きは血管の筋肉をやわらかくして広げ、血流をスーズにする
血管内のコレステロール体積や血栓(血管内に脂肪が堆積し動脈硬化をひきおこす)の発生を抑える。
NOが血管を内部から弛緩
NOは、このNOの働きによって、心臓や血管に関わる様々な疾患の予防や改善が期待されます。NOはメタボリックシンドロームが関係する生活習慣病にその効果を発揮します。

また、NOによって血流と血圧が整えられリラックスすることで、冷え性や肩こり、慢性的な疲労の改善がみられます。
さらにNOは、神経細胞や白血球でも大量に生産され、血管以外にもからだのあらゆる器官の生理機能を正常に保つ働きをしています。
特に30歳を過ぎるとNOの産生能力が低下するので、食事や運動、サプリメントでNOの産生を助ける必要があります。
一酸化窒素を増やすには?
①良質なたんぱく質を摂る

食事はアミノ酸が含まれる赤肉、青魚や大豆などの良質のタンパク質を多く取ることを心がけましょう。
健康的な食事とは具体的に何を指すのかと言いますと、魚をたくさん食べる、フルーツや野菜を多く摂取することです。
できるだけ牛肉などの肉類、飽和脂肪食品は避けるようにしましょう。肉の飽和脂肪酸はNOをつくる血管内皮細胞を傷つけるので取り過ぎに注意。
②血管ストレッチ

血管ストレッチ
血管は「縦に伸ばすと軟らかくなる」という性質を持っています。
1日1回、簡単なストレッチをしてみましょう。ストレッチで血管が軟らかくなって、血流が良くなると、血管の壁から「プロスタサイクリン」という血液をサラサラにする成分が放出されます。
<血管ストレッチ>
①両足を肩幅に開いてください。
②両手をしっかり「パー」に開いたまま、万歳の要領で、上に上げます。顔は正面を向いて、踵は床についたまま。呼吸はゆっくり、止めないようにしましょう。
③力を抜いてリラックスします。これを3回繰り返してください。約1分です。

血管ストレッチ:慣れてきて余裕がある方向け
<慣れてきて余裕がある方向け>
万歳した両手を組んで、そのままゆっくり、横にストレッチしてください。
ラベルをきれいに、はがすように、筋肉を、ゆっくりゆっくり伸ばすようなイメージで、決して速く動かさないことが、ポイントです。
1回15秒で、右と左で2回ずつすると約1分です。
お腹や背中、足や腕の筋肉が伸びているのが分かりますか?血液の流れが良くなって、身体が温かくなってきましたか?
筋肉が伸びると血管も一緒に伸びます。また、筋肉と同じように、血管もストレッチをすることで柔らかくなります。こんな簡単な体操で、血管が若返って、血液もサラサラになるのです。あなたの生活にも、血管ストレッチ体操をぜひ取り入れてみませんか。
有酸素運動を20分以上続けると血中のNOが増えてくるので、1回20分以上の運動を週3、4回目安に行うとより効果的。
何もしない状態と比べると、なんと10倍も高いNOレベルになります。
健康的な食事と有酸素運動

健康法には実にさまざまなものがあります。
当り前のようですが、「健康的なライフスタイルを築く」ことが重要です。
そのためには、ふだんから次の2つのことを心掛けることが大切です。
まずは健康的な食事をすること。
2番目としては、実はこれが一番難しいのですが、中程度の有酸素運動を行うこと。